—— 作曲システムの変遷は
最初はミュージ郎に付いてきたSinger Song Writerで、その後SONARを使い始めました。コンピューターはWindowsで、音楽やっている人って皆Macじゃないですか。僕は天の邪鬼な性格なので(笑)、WindowsとSONARという組み合わせが結構気に入っていましたね。でもちょっと動作が不安定だったんですよね。
そんな時に知り合ったのが音楽プロデューサーの浅田祐介さんでした。浅田さんと知り合ったのもひょんなことがきっかけで、一緒に新体操をやっていた友人が車のディーラーをやっていて、浅田さんがそこのお客さんだったという(笑)。今日、音楽プロデューサーの人が来たから、お前のことを話しておいたよって友人から連絡があって(笑)。それで浅田さんにお会いして、いろいろお話させて頂いたのですが、その時にStudio Oneのことを教えて頂いたのです。新しいDAWだけどすごく良いって。早速体験版を試してみたら確かに良さそうだったので、一気にStudio Oneにスイッチしてしまいました。Studio Oneのバージョンは、確か1.5でしたね。
Studio Oneでエディットを行う林ゆうき氏
—— Studio Oneの最初の印象は
最初は難しいソフトウェアなのかなと思ったんですよ。でも実際はすごくシンプルで、ほとんどの操作がドラッグ&ドロップで行える点が気に入りました。僕は、最初に説明書をしっかり読む方ですけど、Studio Oneに関しては説明書を見なくても、基本的な操作が一通りできたんですよ。
浅田さんからStudio Oneは音も良いよ、と聞いていたので、最初に同じピアノ音源を立ち上げて聴き比べてみたのですが、確かに結構違っていて。音が良いというよりは、僕には何か立体的な音に聴こえたんです。凄い前に出てきてくれるなと。音の粒が見えるというか、クリアに聴こえた感じがしましたね。なるほど、これはいいかもと思いました。
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—— Studio Oneの機能面に関して
劇伴のストリングスを作る時って、最初に1本のトラックの中でアレンジしてから、後で楽器毎にトラックを振り分けていくのですが、Studio Oneはその作業が凄くやりやすい。ピアノ・ロールでヴァイオリンの部分だけを囲んで、別のトラックに瞬時に移すことができる。今までは範囲選択をしてからいちいちコピー&ペーストしなければならなかったわけですけど、Studio Oneだと同じ操作が一瞬で行える。これは作家寄りというか劇伴制作に向いているDAWだなと思いましたね。
—— 現在のシステムは
コンピューターはショップに製作してもらったWindowsマシンで、OSはWindows 7の64bit、CPUはCore i7 3970X、メモリは64GBというスペックです。もう1台、音源用のサブ・コンピューターもあって、そちらのメモリは48GBですね。オーディオ・インターフェースはRME Fireface UFXで、入力用のマスター・キーボードはNative Instruments KOMPLETE KONTROL S88です。ずっとKurzweil MIDIBOARDを使っていたのですが、少し前に未来的なデザインが気に入ってKOMPLETE KONTROLに入れ替えました。未来的と言えば、ROLIのSeaboard RISE 49も導入予定です。
—— 音源類は
よく使うのはSpectrasonicsの御三家、Omnisphere、Stylus RMX、Trillianと、Native Instruments KONTAKTのライブラリーです。ドラムは大抵XLN Audio Addictive DrumsとStylus RMXで、人には変わっていると言われますが、僕はStylus RMXにREXライブラリーを読み込んで使うのが好きなのです。ベースはTrillianを使うことが多いです。
ストリングスでよく使うのはAudiobro LA Scoring Stringsですね。ブラスはCinema Brassなのですが、生にレイヤーすることが多いので、混ぜやすいところが気に入っています。最近のライブラリーでは、Outputのものが気に入っています。新しいボーカル音源のExhaleもすごく良いですね。最近はKOMPLETE KONTROLのコントローラーを使ってOutputの音源に表情を付けるのがとても楽しいです。
—— プラグイン・エフェクトは
WavesのバンドルとiZotope Ozone、Alloy、飛び道具的に使うSugar Bytesのものなどいろいろ入れてありますが、最近はStudio One標準のものを使うことが多いです。例えば浅田さんもよく使っているというX-Tremは、いわゆるトレモロ・プラグインですけど、パンナーとして使っても面白いのでディレイと合わせ技で使ったり..。あとはディレイやコンプレッサーもStudio One標準のものを多用していますね。
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