—— UNVEIL、UNFILTER、PITCHMAPのコンセプトとターゲットとは
この3つのプロダクトに共通するのは、これまで未解決だった問題を解消し、これまで存在しなかった新しい機能を提供するというポイントです。私達自身の音楽経験から、プロ・オーディオ・ソフトウェアのワークフローに足りないと感じたものからアイデアを得ています。
Zynaptiq初のプロダクトであるUNVEILのリバーブ除去機能は放送や映像分野でニーズの高い機能です。よくある例としては、マイクロフォンが画面外にあり、マイクロフォンが撮影対象から遠すぎる場合です。このような場合には、ADRにかなりの時間とコストがかかります。UNVEILを使用すれば、この問題を解決し、プロダクション・サウンドを簡単に活用できるようになります。
UNVEILで映像効果と音をマッチングさせるデモビデオ
これは音楽に使用する場合も同様です。例えば、超有名ジャズ・ミュージシャンのクラブでのパフォーマンスをレコーディングした際、演奏は最高だけれど、リバーブがキツ過ぎるという場合、どうしますか?もう1回演奏してもらいます?無理ですよね(笑)。UNVEILは、音声に含まれたリバーブ成分を軽減させたり、逆により深くしたり、自由にリバーブ成分のみをコントロールできる夢の様なソフトウェアです。
2番目にリリースしたUNFILTERは、実は今後発売予定のUNCHIRPのコンセプトの一部として始まりました。「伝送される信号。電話回線、良いとはいえないセットアップ、データ転送速度に大きな制限のあるコーデック、信号経路、周波数特性も酷い。こんな条件の問題を確実に解決できれば最高じゃないか?」と考えました。コンボリューションを利用してこの様な効果を「適用」するプラグインはありますが、確実に「除去」できるソリューションはありませんでした。UNFILTERならそれが可能なのです。
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UNFILTERが対処する映像用音声や放送で問題となる問題のひとつに、次のような状況があります。2名の俳優に2つのタイピン・マイクを使用する際、両方のマイクロフォンで両方の俳優の声を拾うことになりますが、ポータブル・レコーダーに1トラックしかない場合、2つのマイクをモノにミックスしなければならなくなります。これにより、コム・フィルタリング位相キャンセレーションが生じます。これまでは、これには為す術がありませんでしたが今は違います。UNFILTERがあるからです。
UNFILTERの応用例デモビデオ
3番目にリリースしたPITCHMAPは、ムースTやマーティン・ブットリッヒなどハウス・ミュージックのリミックスをかなり経験したということが背景にあります。リミックスでは、レーベルのA&Rが曲を持ち込むのが一般的ですが、「この曲を"クール"にしてください。ハッピーなメロディをアンダーグラウンドなサウンドに変えて欲しいけど、オリジナル・トラックを"活かした"テイクにしてください。アーティスト側のご希望なので…」など無理を言われます。
PITCHMAPで既存曲のメロディ/ハーモニーをMIDIでリアルタイム・コントロールするデモビデオ
それで常々「キーの変更を"リアルタイム"でできれば最高じゃないか?」と考えていました。このジャンルで言えば、CelemonyのMelodyneは素晴らしいですよね。ただ、この私のワークフローにはぴったりこないのです。もっとパフォーマンス志向で、直接的でインタラクティブな、完全にリアルタイムのワークフローを望んでいました。修正や編集というワークフローではなく「新しいミュージックを作りたい」というクリエイティブなフローです。PITCHMAPをこの様な機能をもつツールとして開発したのはこの様な理由からです。
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