![WORMHOLEドライ/ウェット・モーフィング・スライダー](/products/zynaptiq/pics/20c8dbc045.png)
ドライ/ウェット・モーフィング、FX BLEND
サウンドに強めの処理を行う場合、シンプルなドライ/ウェット・クロスフェードでは、思い通りの結果が得られないことがよくあります。エフェクトの強度を弱めたいのに、両方の音が同時に聞こえているような印象を受けるのです。これこそ、他のプラグインではドライ/ウェット・コントロールが用意されるところに、FX BLENDが装備されている理由です。FX BLENDモジュールは、2つのストリームの組み合わせに複数のアルゴリズムを提供することで、ドライ/ウェットの概念を拡張させています。従来のドライ/ウェット・クロスフェードに加えて、Zynaptiq独自の構造オーディオ・モーフィング・テクノロジーを2種類搭載し、入力とエフェクトの間のシームレスなモーフィングを実現。入力とエフェクトを融合させ、ひとつのサウンドへと変化させます。また、エフェクト信号をソースの「シルエット」にまとめ、より優れた解像度を実現し、この種の処理で得られる一般的な結果に比べてタイトなサウンドを提供します。ドライ/ウェット・モーフィングはまた、獣の鳴き声などのヘビーな処理がなされたサウンドにはるかに優れた「リアリズム」を与えたり、多種多様なハイブリッド・サウンドを作成したり、これまで聞いたことのないような超スムーズなトランジションを作成したりできます。
![WORMHOLE WARP TILTトラックボール](/products/zynaptiq/pics/4974a51d23.png)
WARP
WARPは、ユニークな局部的時間領域のスペクトル・ワーピング・エフェクトを実行します。それは、リング・モジュレーションと周波数変調、周波数シフトとフォルマント・シフト、モーダル・レゾネーター、スペクトル・マッピングといったエフェクトの間のどこかに存在するものです。WARPのサウンドは人を魅了する奇妙さががあり、常に明瞭ではっきりとタイトなサウンドをもたらします。さらには、不連続のアーチファクトを注入して宇宙を彷彿とさせる様々な特別効果を生成するモードも含まれています。
![WORMHOLE PITCHおよびFREQUENCY SHIFTコントロール](/products/zynaptiq/pics/698ae57157.png)
SHIFT
SHIFTは、+/-4オクターブのピッチシフトと+/-4kHzの周波数シフトをひとつのプロセッシング手順に組み合わせています。
PITCH SHIFTER、ディレイ/グレインでもなく、FFT/フェーズボコーダー・ベースでもないユニークなデザインです。結果として、グレイン、フラム、エイリアスといった典型的なアーチファクトとは全く違う音となり、ピッチのジャンプやワーブルが非常に少なくなります。SMOOTH、TIGHT、DETUNE A、DETUNE Bの4種類の専用アルゴリズム・モードが用意されています。SMOOTHとTIGHTはその名が示唆するとおり最大48半音単位で上下にシフトします。DETUNEモードはどちらも+/-48セント単位で左右チャンネルを逆方向にシフトし、コーラスをわずかにずらすエフェクトに厚みを与える効果をもたらします。また、WORMHOLEのPITCH SHIFTERは、極めてきめ細かく、オーガニックで温かみのあるサウンドを提供します。
WORMHOLEのFREQUENCY SHIFTERは非常にクリーンで、キャリア/サイドバンド抑制96dBを誇り、エフェクトの有効範囲を大きく広げます。PITCH SHIFTER同様、FREQUENCY SHIFTERは完全にエイリアシング・フリーです。
SHIFTセクションにはユニークなDECAY TIMEコントロールが搭載されています。調整可能なデュレーションを上回る部分の信号成分を削除することで、極めてクールな方法でサウンドを整え、タイトにします。また、上にシフトさせると、より音の大きいミッドレンジにシフトする低周波の長いディケイタイムにより生じる「リンギング」効果を大幅に低減できます。これはまた、アナログ通信回路の「サギング(急低下)」をシミュレートしたり、音色の「揺れ」を加えたりする場合など、特別効果にも使用できます。
![WORMHOLE ReverbセクションMix & Modeコントロール](/products/zynaptiq/pics/9cb149d64d.png)
REVERB
優れたリバーブ以上に優れたものとは?そう、それはもちろん「2つの」優れたリバーブ。だからこそ、WORMHOLEのREVERBセクションは、共通のコントロールを持つ2つのシンプルながら極めてみずみずしいサウンドを提供するランダム・モジュレーション・ホール・リバーブを搭載しています。ひとつはFX BLENDの前に配置されており、ドライ/ウェット・モーフィングを使用する場合の典型的なリバーブとは大きく異なる効果を提供します。もうひとつは、FX BLENDの後に置かれています。どちらかひとつを使用することも、あるいは両方を同時に使用することもでき、リバーブの柔軟性を最大限に活用できます。
![WORMHOLE Delayコントロール](/products/zynaptiq/pics/76a00f2ac7.png)
DELAY
他のプラグインにはプリディレイがありますが、WORMHOLEの非常にシンプルで極めて効率性に優れたDELAYはこのコンセプトの進化を示すものとなっています。エフェクト信号に遅延を加えるだけでなく、ドライ信号を遅延させたり、あるいはその両方を左または右チャンネルに対してその逆方向にエフェクトをかけることができます。これにより、サウンド・ステージのセンターを中心に完全にバランスのとれた非常に幅広いエフェクトを生み出すことができます。それもあっという間に。ピッチシフターのDETUNEモードとドライ/ウェット・モーフィング(DELAYがこのモーフィング結果をモディファイする)を組み合わせると、サブリミナルな効果から極めて粋なサウンドまでユニークな音を作成できます。
WORMHOLEのWARP、リング・モジュレーター、周波数シフト
WORMHOLEにはWARPとSHIFTセクションが搭載されています。WARPは、Zynaptiq独自の技術である時間領域の局部スペクトル反転(「周波数ワープ」)を実行します。このエフェクトは、不協和で金属のようなスペクトルを生成することができるリング・モジュレーターや周波数シフトに少し似ています。しかしこれは、そのどちらでも実現不可能な音色を生成する少し変わったアルゴリズムで、ユニークな新しいサウンドをパレットに提供します。SHIFTセクションは、ピッチ・シフトと周波数シフトが完全エイリアシング・フリーのひとつのプロセスへと組み合わせられており、ほぼパーフェクトなサイドバンドおよびキャリア抑制を提供します。
WARPモジュールと、より一般的なリング・モジュレーションや周波数シフト・エフェクトの違い(とWORMHOLEの優れた周波数シフトのデザイン)を示す例として、テスト信号を様々な設定の多様なプロセッサー・タイプに通過させた、一連のスペクトログラムのモードを紹介します。
リング・モジュレーション
オーディオ信号がリング・モジュレーターを通過すると、2つのいわゆる「サイドバンド」が生成されます。これらは入力信号のコピーで、モジュレーション・オシレーターの周波数により両方向に対称的にリニアな周波数シフトがなされています。ここでは、リング・モジュレーターのモジュレーター周波数に約300Hzを使用しました。160Hzから2900Hzへと2.3秒の間にリニアにスイープするサイン波を使用しています(左の図)。右の図では、2つのサイドバンドがはっきりと見て取れます(緑の線、赤の線は入力信号を示しており、図示の目的で重ねて表示されています)。2つのサイドバンドがリニアに周波数シフトするにつれ、サウンドに含まれる倍音は対数的に分散され、「金属的」だったり「洞窟」のようなサウンドが生成されます。これは、ボイスの処理に対する優れたエフェクトとして使用できます。
周波数シフト
ただし、十分なサイドバンド抑制は、ハイクオリティの周波数シフト、また、強めのシフトを行った場合にも一貫して有益な結果をもたらすために重要です。サイン波よりも複雑な信号では、これはより当てはまります。ここでは、2つのスイープするサイン波を、500Hzシフトダウンする同じ有名サードパーティ製周波数シフターにかけています。2つ目の図から分かるとおり、上のサイドバンドは抑制が足りず、クリーンさに欠ける結果となっています。また、2つのサイン波の下側がスイープの頭で反転しているように見えることにも注目してください。これは、信号が0Hz以下にシフトして「折り返」されている(エイリアシング)ためです。どちらのアーチファクトも分かりやすいようオレンジで表示されています。
WORMHOLEの周波数シフター
WORMHOLEのWARP
WORMHOLEのWARPモジュールは、少し異なる動作となっています。下のスペクトログラムは、WARP DEPTH設定を25%、50%、75%、100%で処理したサイン波スイープを示しています。出力信号の構造がシンプルなリング・モジュレーションや周波数シフトの場合に比べて明らかに複雑になっており、また同時により「整然と」しており、バランスが取れた分配となっているのが分かります。出力にもエイリアシングがありません。また、出力成分が入力信号周辺にまとまっていることにも注目してください。これにより、非常にはっきりとしながら強力な処理がかかったサウンドになります。
最後に、TILTパラメーターは、変わったデザインのピッチ/フォルマント・シフトに似た処理を適用し、はっきりしたスペクトル成分を上下にシフトさせます。シンプルな入力に対しては、この回路のデザインは、下のスペクトログラムに示されるように、信号が(周波数を)垂直に反転して若干上下に移動する、ピッチシフトのようなエフェクトをもたらします。TILTに、「上」から少しエイリアシングが現れているのが分かります。TILTは粗さを生じさせて極端なサウンドになるよう意図的にデザインされています。
DL版:20,900円
(オープンプライス:STORE価格)
Zynaptiqアカデミック版
音楽/芸術の未来を担う学生/教職員個人のための優遇購入制度、MI7楽割アカデミック・プログラムにZynaptiq全製品が遂に追加!対象の方は驚きの13,750円からZynaptiq製品を手に入れられます。
Zynaptiq解説動画
アーティスト/YouTuberのライムロレンソ氏がINTENSITY/UNVEIL/UNFILTERをミュージシャンや動画クリエイター向けにレクチャー!不可能を科学で可能とする、正にマジックの様なサウンド処理を是非ご覧ください。
ZAP III & DESIGN
WORMHOLEはZynaptiqプラグイン・バンドルのZAP IIIバンドルおよびDESIGNバンドルにも収録されています。
Developer Interview
![Denis Goekdag](../pics/interview_denis.goekdag.jpg)
ドイツで設立されたZynaptiq。不可能をサイエンスで可能とするScience, Not Fiction、そのスローガンを唯一無二のMAPテクノロジーで具現化するZynaptiq GmbHのCEO、Denis Goekdag氏へ起業から開発コンセプトまでを独占インタビュー。
[インタビューを読む]