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レコーディング&ミキシング・エンジニア|山口泰 monk beat studio|薬王寺 monk beat studio|薬王寺 monk beat studio|薬王寺
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ビクタースタジオでキャリアをスタートさせ、CHARA、Crystal Kay、Cold Feet、m-flo、清春、大黒摩季、MOOMIN、UAなどを手掛け、その後ニューヨークに拠点を移しブリトニー・スピアーズ、*NSYNCなど、多くのメジャー・アーティストの作品に携わるレコーディング&ミキシング・エンジニアの山口泰氏。9.11を機に帰国し、オープンな環境でしか得られない瞬間を記録するために、江戸時代に建立された薬王寺内にmonk beat studioを構え、マスタリング・ソリューションとしてStudio Oneをセレクト。Studio Oneは、Neveの様に音楽的なサウンドで自在に音を掴めるのが魅力だと語る山口氏に独占インタビュー。

    

ニューヨークで日本の侘・寂に気づき、江戸時代に建立されたお寺にスタジオを設立

—— 1997年に拠点をニューヨークに移されましたが
 生意気なようですけど、日本の音楽シーンに刺激を感じなくなったからです。ビクタースタジオに入ってしばらくは、今日はどんなプロダクションが待っているのかなって、スタジオに行くこと自体ドキドキしていたんですよ。でも退社する直前は、そういうドキドキ感は全く無くなっていて、音楽シーンから刺激を感じとれなくなっていました。それで僕はずっと洋楽を聴いてきたので、ニューヨークに行って、世界の音楽シーンで仕事をしてみたいと思ったんです。やっぱり、マーケットも日本とは比べものにならないくらい巨大じゃないですか。そこに飛び込んでいけば、またドキドキしながら音楽を作り出すことができるんじゃないかなと。ちょうどニューヨークでありがたいご縁をいただいたこともあり、思い切って拠点を移すことにしました。


UAをフィーチャーしたmonk beatの1stアルバム「good baby's sponge doll」に収録されている「月の宴」

 マネージメントをお願いしていた人が敏腕で、僕のキャリアを尊重してブリトニー・スピアーズや*NSYNCなど大物アーティストの仕事を結構させてもらいました。もちろん向こうでの仕事は、日本とは勝手が違うので壁にぶつかることもありました。やっぱりニューヨークの方が感覚的なんですよ。日本では紙に書いて説明していたようなことも、すべて耳で聴いて判断するというか。後はエンジニアとアシスタントの役割分担も明確でしたし、すべてが日本のスタジオとは違う感じでした。それとニューヨークというのは世界中から人が集まる街なわけじゃないですか。その中で日本人であることのアイデンティティを示さなければならない。一時期、そのことはちょっと考えましたね。

Studio Oneでマスタリング作業を行う山口氏
Studio Oneでマスタリング作業を行う山口氏

—— 2001年に帰国されたそうですが
 ニューヨークは順調だったんですが、9.11が起こって色々考えてしまったんですよね。本当に自分の身の危険を感じましたし、あの出来事以降、街の雰囲気が変わってしまった。普通の女性がガスマスクを着けて地下鉄に乗っていたりとか。この街で音楽をやり続けて良いんだろうかという。気分的にも滅入ってしまって..。それで日本に帰ることにしたんです。

 でも日本に帰ったからと言って、気持ちが晴れるわけではなく、しばらく京都の山奥に引き蘢っていたんですよ。京都を選んだのは、日本人であることのアイデンティティを考えたら、それは侘・寂(わび・さび)じゃないかと思って。例えば、山奥で鳴り響く鐘の音、森の中に減衰していく余韻。あの音の感覚は、欧米人には無いものなんじゃないかと。僕はヒップホップが大好きで、ニューヨークでは頑張ってそういう仕事に関わってきたわけですけど、やっぱり向こうのエンジニアには太刀打ちできないんですよ。バスケット・ボールの選手を見ればわかりますが、体の中のバネが違う。あのグルーヴを出すのは、やっぱり日本人には難しいんです。それで日本人であることのアイデンティティを考えて、辿り着いたのが侘・寂だったんですよね。

テディ・ライリーのスウィングを見て、Studio Oneを見逃してはいけないと思った

—— お寺をスタジオに選んだ理由とは
 京都や奈良のお寺を回るようになって、良いなと思い始めたんですよね。お寺って、訪れる人を幸せな気持ちにして帰す場所なんですよ。そして訪れた人をどうやって幸せな気持ちにするかと言えば、静寂の中で鳴り響く鐘の音だったり、お経だったり、要は「音」なんですよね。それでどんどんお寺の魅力に惹かれていって、同時に音楽に対する情熱も蘇ってきたんです。

春から秋にかけては蚊帳を吊ってアジアンな雰囲気のmonk beat studio
春から秋にかけては蚊帳を吊ってアジアンな雰囲気のmonk beat studio

 お寺でイベントをやるうちに、お寺ってもの凄く響きが良いことに気がついたんですよ。お寺でレコーディングやミックスもやりたいなと思い始めて、地元の住職さんに相談したら貸していただけることになって。本当にご縁ですよね。それで開設したのが、このmonk beat studioなんです。不思議なことに、お寺の中だと演奏者の自己顕示欲が抑制されるんですよね。だからスタジオよりもピュアで良い演奏が録れたりします。

山口氏がミックスおよびハイレゾ・マスタリングを担当した鳥山雄司氏プロデュースのコンピュレーション・アルバムWomen's Liberation
山口氏がミックスおよびハイレゾ・マスタリングを担当した鳥山雄司氏プロデュースのコンピュレーション・アルバム「Women's Liberation

—— Studio Oneを知った切っ掛けとは
 大好きなテディ・ライリーがStudio Oneで歯切れの良いスウィングを作っているビデオを見て、これは見逃してはいけないDAWなんじゃないかなと(笑)前々から気になっていたんです。それと最近、もっとシンプルなDAWで作業したいなという想いがあったんですよね。僕のセッティングを見てもらえればわかりますが、コンピューターはMac miniで、液晶ディスプレイも一番小さなものを選んでいるんです。なぜかと言うと、電力の消費を抑えたいから。電力消費が大きなコンピューターですと、ファンの音もうるさくなりますしね。そういういろいろな想いがあって、Studio Oneを手に入れて使い始めたんです。

 最初に感じたのは、シンプルで凄く使いやすいDAWだなということ。マニュアルに目を通さなくても直感的に使うことができて、その使い勝手の良さは、僕にとっては少々驚きでした。そして音ですね。これは良いなと思いましたね。

Studio One Professionalクロスグレード版の詳細

DTMスタート・パッケージAudioBox iTwo STUDIOの詳細

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