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伊橋成哉 伊橋成哉 伊橋成哉
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数多くのトップ・アーティストに楽曲を提供し、大手メーカーのCM音楽や劇伴なども手がける伊橋成哉氏は、現在注目されているプロデューサー/コンポーザーのひとり。2004年、hitomiへの楽曲提供を皮切りに、プロデューサー/コンポーザーとしてのキャリアをスタートさせた氏は、その後も浜崎あゆみ、倖田來未、AAA、テゴマス、misono、橘慶太、山下智久、SDN48など、ヒット・チャートを賑わす多くのアーティストに楽曲を提供し、日本のこれからの音楽シーンを担う旗手として、業界関係者からの注目を一身に集めています。昨年末、シンプルな操作性と軽快な動作に惹かれてStudio Oneを導入した氏は、長年使い続けたDAWソフトウェアから“スイッチ”。移行した理由とその使用感を独占インタビュー。

   
 

軽快さと操作のシンプルさが気に入って、完全にStudio Oneにスイッチ

—— まずは伊橋さんの音楽制作ツールの変遷から教えてください
 僕は昔は3ピースのロック・バンドをやっていて、ボーカルとギターを担当していたんです。その頃の作曲のツールと言えばMDのMTRで、ドラムやベースなんかも生で録音していました。だからコンピューターはもちろんのこと、リズム・マシンやシーケンサーといったデジタル機器とは無縁の制作環境だったんです(笑)。その後、作曲家として活動していくにあたって、しっかりとしたデモ・テープを作らなければならなくなり、それからですね、コンピューターを使い始めたのは。あまりハイテクな機械が好きな方ではないので、必要に迫られて無理矢理使い始めた感じです。

伊橋氏が愛用するギター/ベース

 最初は右も左も分からなかったので、インターネットの掲示板に「どなたかDTMをおしえてくれる人はいませんか?」と書き込んだんですよ(笑)。そうしたらたまたま近所に住んでいた若者が連絡してきてくれて、最初は彼に打ち込みのやり方とかを教わったんです。DAWソフトウェアも、その若者がSteinberg Cubaseを使っていたので、同じものを手に入れて。音源に関しても、その若者が持っているソフトウェア・インストゥルメントと同じものを揃えました(笑)。コンピューターは最初がWindowsだったので、今に至るまでWindowsを使い続けています。

—— コンピューターを使った曲作りにはすぐに馴染めましたか
 そうですね。Cubaseって、ユーザー・インターフェースがポップじゃないですか。何かファミコンっぽいというか、使っていて楽しい感じだったので比較的すんなり使うことができましたね。少しして、他のDAWソフトウェアはどんな感じなんだろうと気になって、定番のPro Toolsとか、当時はWindows用もあったLogicとかも触ってみたんですよ。でもどのソフトも、いかにも業務用という感じの無骨なユーザー・インターフェースだったので、Cubaseのポップな感じが気に入っていたこともあり、そのままずっと使い続けました。当時はお金がなかったので、バージョン・アップは余りしませんでしたけどね(笑)。

お気に入りのレスポールを弾く伊橋成哉氏

—— Studio Oneを導入した切っ掛けは
 音質的にも機能的にも不満は無かったんですが、少し前から新しいDAWソフトウェアを使いたい気分になっていたんですよ。ユーザー・インターフェースに少し飽きていたというか、もうちょっと新鮮な気持ちで曲作りをしたいなと思っていて。それでよく行く楽器店のスタッフに相談したところ、薦められたのがStudio Oneだったというわけです。「新しいDAWソフトウェアなんですが、凄く良いですよ」とか、「開発者が元Steinbergの人なんですよ」とか、いろいろ教えてもらって。それでちょうどStudio Oneがバージョン2になるタイミングだったこともあって、ちょっと使ってみようかなとクロスグレード版を導入した感じですね。

使い始めた人達が口を揃えて言うのが音質が良いということ

—— Studio Oneのファースト・インプレッションは
 まずは何と言っても、インストーラーが軽いことに驚きましたね。たった80MBくらいしかないんですよ。最近のDAWソフトウェアだと、数GBというのが当たり前じゃないですか。それが80MBくらいしかなくて、インストールもすぐに終了してしまって。これで本当に大丈夫なのかな?と思いましたよ(笑)。実際に触ってみての印象は、動作が軽快というのもそうなんですけど、操作のシンプルさに驚きましたね。ある操作を行うのに、他のDAWと比べると2手間くらい少ないんですよ。例えばプラグインをアサインする場合も、どこかをクリックしてメニューから選んで……という感じではなく、脇のリストからドラッグ&ドロップするだけ。これはいいなと、すぐに気に入りましたね。

 それとブラウザーがとても優秀!ソフトシンセ、プラグイン、音ネタライブラリなど検索をかければすぐに出てくる。カテゴリで探す手間が省けるのは素晴らしいですね。

—— 元Steinbergのエンジニアが開発していますが
 印象としてCubaseと遠くはないとは思いますけど、ドラッグ&ドロップの部分はPropellerhead REASONに似ていたり、やっぱり違う感じがしますね。いちばん大きな違いは、シングル・ウィンドウ・インターフェースというところ。他のDAWソフトウェアだと、何をやるにしてもウィンドウを開かなければならないじゃないですか。その点、Studio Oneは、ひとつのウィンドウ内でほとんどの操作を行うことができるんです。これは本当に使いやすいですよ。あと、最近Studio Oneを使い始めた人たちが口を揃えて言っているのが、音質が良いということですよね。ぼく自身、エンジニアではないので音質の細かいところまでは分からないんですけど、確かに分離の良さというのは感じます。ボーカルに対して、他の楽器がいい具合に分離してくれるというか。Studio Oneで聴くと、歌がまっすぐ響いてくれるんですよ。こころなしか、歌が大きく聴こえる。確かに音の良いソフトウェアだと思います。

伊橋成哉氏のプライベート・スタジオ

—— 安定性はいかがですか
 最初、他のDAWソフトウェアと併用していたときは、たまにエラーとかが出たんですよ。しかし不思議なことに、他のDAWソフトウェアをやめてStudio Oneに完全に移行してからは、エラーが出なくなりました(笑)。システム領域で何かがぶつかっていたんですかね。いまはとても安定しています。

トランジェント検出の精度が高くオーディオも自然にクォンタイズできる

—— Studio Oneバージョン2の目玉の機能のひとつとしてMelodyneの統合があるのですが、使われていますか
 もちろん使っています。僕はもともと、Auto-Tuneに馴染めなかった人間なので、Melodyneはずっと使っていたんですよ。Studio One 2では、完全にMelodyneが統合されているので、とても使いやすいですね。僕の場合、Melodyneはピッチ補正用に使うのがほとんどなんですけど、Studio Oneの一機能のような感じで使えています。

 あとバージョン2の新機能で言うと、マルチトラック・コンピングもいいですね。自分で弾いて録るのはギターくらいなんですが、2〜3周録音して簡単に“いいとこ取り”ができるので、とても便利です。それと最近使っていて思うのは、トランジェント検出の精度の高さ。とても精度が高いので、オーディオ・データも自然にクォンタイズすることができるんですよ。自分で弾いたギターでも、あくまでデモとは言えキッチリしたクオリティが求められるので。それがStudio Oneだったら、一瞬で自然な感じにクォンタイズしてくれるので、とても便利ですね。

他にも、歌い手さんに譜割を伝えるために自分で歌ったものを作る時も結構あって、歌にクオンタイズかけてもかなりの精度で縦を揃えてくれます。これはビックリですよ!

Studio One Professionalクロスグレード版の詳細

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Studio One純正オーディオ・インターフェースの詳細

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