いくつか挙げてもらったのですが、Austrian Audio の「OC818」がすごく良いですよ、「OC818 Live Set」という2本セットもありますよー、と教えてもらって、ホームページと動画を見て、「これだ!」と。直感的に、2本あると面白いことができそうだなって。名前に「Live」って入っているのもいいですよね。鬱屈とした気持ちとエネルギーが、何かポジティブな方向に転換できそうな予感もあって、あの時、星野さんに教えてもらえて本当に良かったです。
原田:クラムボンだけでなく、フィッシュマンズが「キチム」でトークとアコースティックライブを生配信したときも、「キチムフェス」(高野寛 × 寺尾紗穂、湯川潮音 × オオヤユウスケ、原田郁子 × U-zhaan というデュオ編成で行われた配信ライブ)のときも、フィッシュマンズがリキッドルームで 2 days のライブ("HISTORY Of Fishmans" 1991-1994 & 1995-1998)をやったときも、西川さんが PA をやってくれる現場、映像配信がある現場では、いつもこの「 OC818 Live Set」が立っていたと思います。
ライブでの使用例を語る原田郁子氏と西川一三氏
西川:今でも PA の仕事はもちろんメインでやっているんですが、配信のミックスだけしにいくようにもなりましたが、やはり皆、こんな風にできるんだ、というのを、聴けば分かってくれるんですよ。それで、仲間の PA さんなどが興味を持って仕事を頼んでくれるのですが、そこでは常に「OC818」を使っています。絶対にあのマイクじゃないとヤダ! って思っているぐらい、あのマイクをずっと使っています。本当は4本欲しいです(笑)。めちゃくちゃ良いですもんね、ちょっとこのマイクは普通じゃないと思いました。
福岡出身の原田郁子(vocal,keyboard)、東京出身のミト(bass,guitar,composer)、 北海道出身の伊藤大助(drums)が音楽の専門学校で出会い、1995年にバンド『クラムボン』を結成。 シングル『はなれ ばなれ』で1999年にメジャーデビュー。当初よりバンド活動と並行して、各メンバーのソロ活動、別ユニット、別バンド、楽曲提供、プロデュース、客演など、ボーダレスに活動を続けている。
2003年に自身らの事務所『tropical』を設立、また山梨県小淵沢にスタジオの制作、2010年よりサウンドシステムを保有しライブハウス以外の会場で全国ツアーを開催。2015年には結成20周年を迎え、9枚目のオリジナルフルアルバム「triology」を発表し、キャリア初となる日本武道館公演をおさめた。
2016年より自身のレーベル「トロピカル」で『モメントe.p.』を発表。ライブ会場限定で CD を販売しサイン会を行う全国ツアーを開催。そこで一般流通を介さず活動に賛同してくれる店舗への直接販売を開始する。2017年『モメントe.p. 2』、2018年『モメント e.p. 3』と続き、これまでにジャンル問わずの約300店舗にまで広がりを見せている。DVD、アナログレコードも追加され現在も販売・募集は続いている。
2021年8月には東京2020パラリンピック開会式へ楽曲提供を行った。今年2022年は新たに『モメント l.p.』のアナログレコードをリリース。7月放送の TV アニメ『ユーレイデコ』の OP 主題歌をクラムボンが担当する。また、7〜9月に自主企画イベント『clammbon faVS!!!』を7月から3ヶ月連続開催する。 twitter.com/clammbon_jp www.facebook.com/clammbon_jp www.instagram.com/clammbon_official/ www.youtube.com(tropicalChannel) www.youtube.com(ClammbonChannel)
西川 一三
音響技師 / PA エンジニア。1990年代初頭、心斎橋クラブクアトロでキャリアをスタート。全国のライブハウスはもとより、スタジアムクラスのライブ、フジロックなどのフェスなどでライブ PA を担当。現在手掛けているアーティストは Suchmos やクラムボンら。ミュージシャンが望む音像を会場で再現するその職人的センスは多くのクリエイターに支持されている。直近の担当作に Suchmos『THE LIVE YOKOHAMA STADIUM 2019.09.08』(F.C.L.S./Ki/oon Music)